僕にとっての00年代前半のゲーセン
へたなりにゲーセン通いを続けて、高校卒業しました。SNKが倒産したのがその頃でしょうか。
それを軌を一にしてゲーメストも休刊し、地方の片田舎に住んでる僕はまさに「なん、、、だと、、、?」状態に。
しかしゲーメストの編集者が新たにアルカディアという雑誌を創刊したものの、紙面のノリが若干変わり戸惑う。KOF最新作も紆余曲折を経てな出たり、00年前半は、僕にとって混乱の連続でしたね。
ゲームからすこし距離を置いたのもこのあたりです。あまりのへたっぷりに嫌気が差したわけではなく、本を読みはじめたためですね。
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当時は司馬遼太郎ばかり読んでました。
歴史が好きなもんで。
なんやかんやあって、短大生になった僕は、
勉強をして、合間に読書に打ち込む、真面目な学生になってました。
ゲームのことなんて忘れかけていたころ、自分の身にとんでもない出来事が起こります。
勉強で挫折を経験したのです。ショックでした。いままでやってきたことが全否定された感じをはじめて味わいました。
やってらんねーとおもうのも無理のない話で、それからはたいして勉強もしなくなります。
授業にも行かず本屋へ行き、手頃な文庫本をあさる日々。そんなとき、どこかで太鼓の音がします。
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ちょっと前に出た太鼓の達人で、チビッ子がプレイしていたのでした。
もちろんうまくありません。かんたんコースの譜面を叩いているだけのなんてことないプレイです。
でも、チビッ子は楽しそうです。
当時は「ゲームは達人級に上手くなければならない。そうじゃないやつはやるな」とまでおもっていました。へたくそプレイヤーのコンプレックスなのか、かなりのこじらせっぷりで、これがきっかけでなくなるわけでもないんですけど、楽しげにゲームをするのを見て、これまでのこと、けっこうつらかったのかもしれない、とおもいましたね。
自分にとってほんとに楽しいことってなんだろう、
その答えは考える間もなく出ていました。
翌日のゲーセン、アルバイトで稼いだお金でゲームをする僕がいました。
ただ当時のゲーセンは、もうビデオゲームでは売り上げが取れなくなっていたので、あちこちでゲーム筐体が撤去されていたのです。とくに田舎では顕著で、僕のところでは、アストロシティに変わってUFOキャッチャーや、スイートランドといったプライズゲーム、あとはプッシャー系のメダルゲームが設置されていました。
ゲーセンの暗いイメージを払拭することにはつながりましたが、魅力が落ちたのも事実です。
いろんなひと、ゲームなんて知らない、スーパープレイなんて見たこともないひとがやって来るのを見て、ちょっと面白いことになるかもしれないな、とおもいました。
僕は太鼓の達人を練習しはじめました。
握り方がへたで、血マメができて痛いときもありましたが、それを乗り越えた数ヶ月後。
チビッ子のプレイが終わったあと、つぎに叩くのはひとりの青年。太鼓の達人は子ども向けのゲームだと決めつけている大人たちは、物好きがいるものだとしかおもわない。
青年は、むずかしいではなく、当時最高難度だった
ドンたフルコースを出す。家族連れが多いのを意識して、アニメソングを選んだ。
曲が始まった。青年は怒濤のごとく叩きまくる。
田舎のゲーセンではスーパープレイなんて滅多にお目にかかることはないから、青年のまわりに黒山の人だかりができたのだった。
今は東京にいますが、もちろんどんなに難しい曲でも注目を浴びることはありません。これでいいとおもいます☺️
僕がしたかったのは、ゲームってこういう楽しみかたもあるんだよと、みんなに見せたかったんです。
見方によっては古い楽しみかたですけど、ゲーマーの端くれの意地みたいなものですね。
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